中村さん、在校成績1位で卒業

 関西シクロクロスでおなじみだった中村由香里さんが在校成績1位で日本競輪学校卒業。

 日本競輪学校第101回生徒(37人)と女子第1回生徒(33人)の卒業式が24日、静岡県伊豆市の同校講堂で行われた。滝沢正光校長からの卒業証書授与に続いて生徒表彰が行われ、女子在校成績No・1の中村由香里(31=東京)が優等賞、女子卒記チャンプの加瀬加奈子(31=新潟)が技能優秀賞、1キロと2キロの記録賞、エリート賞(デビュー後、特昇など即戦力となり活躍が見込まれる者)、国際賞で表彰された。

 ナショナルチームメンバーが一時期抜けていたという面はあるものの、着外なしの安定した成績だったとか。

 でも、それは選手のレベル差が激しいということで、車券上は前の女子競輪の弱点がすぐには解消できないということでもあるのかも。

 ガールズケイリンの第1期生が21日、「卒業記念レース」で松戸バンクを激走した。日本競輪学校の第101期生(男子37人)が予選、第102期生(女子33人)が予選、準決を行った。女子は在校1位の中村由香里(31=東京)ら7選手が決勝進出を決め、男女とも今日22日に卒記チャンプが決定する。

 決勝進出が決定した瞬間も在校1位・中村の口元はわずかしか緩まなかった。ここまでは連対率100%で、予選2走はいずれも逃げて1、2着だった。準決も逃げたが結果は3着に終わった。決勝に進めるのは準決3個レースの2着者までと3着者から予選成績最上位1人だけ。辛くもつかんだ決勝切符に「自分の力ではない」。初の3着を喫したリベンジを決勝で果たす。

 大阪教育大卒後に小学校教諭として7年間勤務した。公務員として60歳定年と安定した年収が保証されていた。だが、たまたま目に留めた48年ぶりの女子競輪「ガールズケイリン」誕生の記事が人生を変えた。「小さいころからプロ選手になりたかった。子供たちが成長していくのに自分は成長していない」。自問自答していた答えをついに見つけた。家族の猛反対を振り切り、500万円以上の年収を捨て、ガールズケイリン挑戦へかじを切り、先生から生徒になった。

 一昨年のアマチュア全日本選手権のスプリント4位の実力をベースに在校50レース中1着40回、2着10回。3着以下なし。加瀬加奈子らナショナルチーム不在の中で着実に実力を開花させた。ほとんどの選手が「五輪」を目標に掲げる中で「五輪よりも中村の走りをみたい、と思ってもらえる選手になりたい」とケイリン一本だ。決勝も先行一本で意地を貫く。【大上悟】