貧血治療にEPOは使わない

 日本スポーツ仲裁機構は20日、昨年12月のホノルル・マラソンでドーピング違反が見つかった吉田香織(32)の資格停止期間を、1年から2年にするよう求めた日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の申し立てを認めたと発表した。

 ドーピング違反の仲裁で選手への処分が重くなったケースは初めて。吉田は検査で持久力を高めるエリスロポエチン(EPO)が検出されたが、貧血治療のため投与された薬に含まれていたと主張し、JADAの委嘱を受けて処分を決めた日本ドーピング防止規律パネルは通常より軽い1年の資格停止とした。これに対しJADAは本人が十分な注意を払わなかったとして2年を求めていた。(スポニチ)

 日本のマスメディアは誰もツッコまないけど、日本の健康保険制度ではEPOを貧血治療に使うことはできない。日本スポーツ仲裁機構はちゃんとツッコミ入れている。

(カ) 「エリスロポエチン」の投与に当たっては、「腎性貧血」の診断を行う必要があるところ、被申立人は、本投与当時、腎性貧血の状態にあったとは認められない。また、健康保険の対象となる治療ではないため、費用負担の観点から、「エリスロポエチン」の投与を告知したはずである。

 他にも「本人も医師もうっかりだった」という主張がそこかしこで否定されている。どっちか(もしくは両方)が故意だった可能性が高いとしている。

 これだけの厳しいツッコミが入っている文書を元にしながら上のような記事しか書かない日本のマスメディアってどうよ。